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2020年01月18日(土)
『2020柏レイソルイエローハウス』要旨

 2020年1月11日(土)に開催いたしました『2020柏レイソルイエローハウス』の要旨を公開いたします。

■日時:2020年1月11日(土) 14:00~17:00
■会場:三協フロンテア柏スタジアム 記者会見場
■参加者数:35人
■出席者: 株式会社日立柏レイソル 代表取締役社長 瀧川 龍一郎、他柏レイソルクラブスタッフ

(広報担当)大重:
本日はお集まり頂きありがとうございます。進行を務めます、広報担当の大重と申します。本日はできるだけ多くの方に発言頂き、今後のクラブ運営の参考とさせて頂ければと思います。それでは本日皆様と意見交換をさせて頂きます瀧川より、まずはご挨拶をさせて頂きます。

瀧川:
本日はありがとうございます。簡単に自己紹介からさせて頂きます。日立製作所に入社し、人事、労務、教育といった総務部門を担当してまいりました。レイソルがまだ実業団の時代には日立本社の総務部におりまして、レイソルのお手伝いをしていたのが最初の関わりです。西野朗監督の頃ですが、レイソルの後方支援の仕事を2年ほど務めました。6年前、本社の総務部長時代に非常勤取締役を1年務めまして、5年前に代表取締役に就任いたしました。2年前からは本社の総務部長の兼務が解け、今は専従でやらせて頂いております。
5年の間で皆様とひざを交えて、意見交換をさせて頂く場は作れておりませんでしたので、色々なご意見を聞かせて頂ければと思い、このような会を開かせて頂きました。有意義な会になりますように、是非よろしくお願いいたします。

大重:
この会の開催にあたり、皆様から頂いたご質問をとりまとめさせて頂きました。大きく3つの項目に分類しております。1つ目が「クラブの方向性やスタジアムについて」、2つ目が「ファンサービスやグッズについて」、最後に「チーム強化について」。この3つについて時間を区切りながら進めてまいります。
ご質問を頂く前に瀧川からクラブ運営の方向性について、少しお話しさせて頂きます。

瀧川:
基本的には皆様のご意見を伺いたいというつもりでおりますが、頂いた質問の中で「スタジアム拡張」、「クラブの方向性」この2点についてが多くございましたので、最初のきっかけとしてご説明させて頂きます。
まずスタジアムの拡張について。ご認識頂きたいのが私共のホームスタジアムは自社所有であり、ご承知の通り住宅地にございます。現状すでに、法規制に触れるぎりぎりのラインで建っている状態で、これ以上の拡張は「交通」「騒音」「電波障害」といった問題が公共や近隣に非常に大きな影響を及ぼします。
また、レイソルの生い立ちからして、当然のことながら社会性が求められる企業です。前身が日立製作所本社サッカー部であり、Jリーグ創設のときにプロ化をしました。今は日立グループの一員として、企業広告、従業員の一体感醸成、そして特に大きいのが企業の社会的責任(CSR)の役割を担う存在です。
企業ですから、しっかりと経営はしていかなければならないですが、単純に利潤だけを追求する会社ではありません。
経営的な問題は別にしましても、法的に制限を受けるようなことをハードな交渉をして、近隣の皆様にご迷惑をお掛けしてまでするということは、クラブの立ち位置的にも難しいことです。
数千席の増強ですら許可が下りるかどうか分かりませんが、その経営インパクトはどれくらいか。入場料収入がそのまま利益になるわけではなく、その中から改修に掛けた費用の減価償却、税金、当然維持費も掛かってきます。諸々を考えると1億にも満たないくらいのお金になってしまいます。そこも踏まえると拡張は出来ないという判断に至らざるを得ません。
このあたりは皆様も色々なご意見があろうかと思いますので、後ほど伺ってまいりたいと思います。

次にクラブの方向性について。入場料収入が伸びないとか、ネガティブには考えておりません。他のクラブに負けない強み、レイソルの魅力をポジティブに捉えております。
具体的には、臨場感のある魅力的なスタジアムを自社で持っていること。しかも、練習場やクラブハウス、食堂といった施設が全てこの敷地にあること、これはなかなか他のクラブには追随できないところです。クラブとしてもタイトルを獲得してきた歴史があり、実績のある優秀なアカデミー組織もあります。選手やスタッフはクラブを選択する立場ですが、選んで頂くにあたり施設の部分は重要なポイントだと認識しております。そこは選手やスタッフにとっても魅力になりえると思っていますし、それがチームの強さに繋がるとも思っています。
他には、看板等の設営費や施設借用の調整など、色々な部分で運営コストを削減できるというメリットもあります。徹底したコストダウンを図り、チームに人件費を投入していくことで強いチームを作っていけると思っています。
このようなことから、他のチームに負けない強いチームが作っていけるとポジティブに考えておりまして、それにより皆様にとっても魅力的なサッカーをお届けできると思っております。
昨今のJリーグの情勢から、他クラブは規模を拡大していく傾向にあります。その中で「小さくても強い」という差別化した魅力を作り込めるとも捉えております。
また、育成を重要視したポリシー、子どもに着眼した取り組み(レイソルしま専科やセーブ・ザ・チルドレンへの支援)に賛同頂けるスポンサーやホームタウンの皆様もたくさんいらっしゃいます。
入場料収入や観客動員でナンバーワンにはなれませんが、こうした独自路線を作っていくことで、サッカーの本質的なところでのオンリーワンにはなれるだろうと思っています。
この部分を磨いていき、各ステークホルダーにとって、魅力あるクラブになっていきたいですし、サッカーで恩返しが出来るようなクラブになっていきたい。私どもが考えていることは以上ですが、率直に色々なご意見を頂ければと思います。

質問者:
昨シーズンはビジターサポーターが少なかったこともありますが、満員になった試合も少なかったと思います。ビジターエリアの空席が勿体なく、損失だと感じました。過去の経緯も理解しているつもりですが、ホーム・ビジターの完全分離はこの先も明確にしていくのか、あるいは何らかの形で変えていく、緩和していく方向性があるのか教えてください。

瀧川:
おっしゃることは非常によく理解しております。キャパシティの問題はさておき、出来る限り多くの方にサッカーを楽しんで頂きたいという思いがあります。スタジアムを満員にして、共に喜んで頂ける方を増やしていきたいというのがサッカー界のためでもあり、レイソルのためでもあり、社会のためでもあります。
ただ、警察当局より安全上の観点から、アウェイサポーターを完全分離するよう指導を受けております。ご質問の主旨は将来的にこれが続いていくのかということかと思います。警察当局の指導はしっかりと守っていかなければなりませんが、環境は常に変化していきます。個人的見解も入りますが、長い目で見れば変えていけるのではないかと思っております。やはり私共の責任は、ご来場された皆さんに安全に楽しく観戦して頂くことです。現時点では、当面の間アウェイ分離を緩和していくことは難しいと考えております。

質問者:
座席が狭く、夏場は飲み物をこぼしてしまうことが多いです。座席の取り換えやドリンクホルダーの設置を希望します。Jリーグに申請すると補助金が貰える制度があると聞きました。レイソルは申請していなかったようですが、何故ですか?
もう一点、私は茨城県の取手市に住んでいます。ファンも多いと思うので、取手をはじめ龍ヶ崎や守谷など茨城県内でもっと活動をして頂けないでしょうか。

瀧川:
まず、スタジアム関係の投資方針ですが、安全性が一番だと思っております。その次に快適性です。世知辛い話ですが、原資に限りがございます。予算の配分を考えたときにそのような順序になってしまうことを、ご理解頂ければと思います。
ドリンクホルダーについても検討はしておりますが、付け方にも工夫が必要です。先程席が狭いというご意見がありましたが、邪魔にならない付け方をしなければいけません。座席ごと取り換えるとなると莫大な費用が掛かります。ご要望の旨は以前から認識しておりますので、タイミングも含めてよく検討させて頂きます。
スタジアム改修に関するJリーグの支援についてですが、確かに制度がございます。ただし、1クラブ1回のみ、上限金額の範囲内で改修費用の一部を負担して頂けるというものです。いずれ大規模な改修を検討する時期がくると思っておりますので、今回については申請はしておりません。
最後にホームタウンの件ですが、厳密なルールがあり、そこを越えて活動することは中々難しい問題がございます。ご要望の旨は承ります。

質問者:
安全性が第一とおっしゃいましたが、SS席以外の鉄骨製スタンドは地震が起こったときなど、安全なのでしょうか。
もう一点、一昨年ACLに出場した際に柏熱地帯の1階席は座席がないため使用できませんでした。早急な措置を取って頂けても良かったのでは、と思いました。

瀧川:
まず鉄骨の部分ですが、もちろん安全です。当たり前ですが、きちんと専門家の安全診断を受けております。耐用年数の問題もございますので、状況や時期を見ながら補強、補修はしっかりとやっていきます。
ACLについてですが、Jリーグとは異なる基準があり、前回出場した際は柏熱地帯の1階席は個席ではないため使用できませんでした。現時点では、私共の財政を考えるとそこに着手することは難しいという経営判断になります。
今のルールでは、ACLに出場した場合、このスタジアムで開催できないことはないとの確認はしております。ACLにかける思いはございますし、皆さんの気持ちも理解しております。しかし限られた予算の中では、何かを犠牲にしなければいけない。結果的にチーム人件費に予算を投入できなくなることは避けなければいけません。そこはご理解を頂ければと思います。

質問者:
スタジアム拡張は難しいという話でしたが、安全、快適に過ごせるための改修は必要だと思います。レイソルの持ち物なので、改修費用が全てクラブ負担だということは理解していますが、スポンサーや日立グループの力を借りてでもやるべきではないでしょうか。また、ICT(情報通信技術)の面でも、日立の技術を活用して拡充していくべきではないでしょうか。自前のスタジアムだからこそすぐにできるのでは。
もう1点は新国立競技場でホームゲームを開催する予定はありますか?

瀧川:
先程申し上げた通り、安全性、快適性を高めていくことは考えていきたいと思っております。どこに投資するかということは経営状況を見ながら考えさせて頂きたいと思います。
日立の力を借りてという部分ですが、日立のビジネスとしてもPRになりますし、当然色々と検討もしております。ただ、誤解がないように申しますと、日立は無尽蔵にレイソルへ投資をしてくれるわけではありません。きちんと日立サイドにとってもメリットがあり、レイソルにとってもメリットがあるもの、それが経営的に考えてもアウトプットに見合った費用かどうか、ということが焦点になります。
サッカーを楽しんで頂くための快適性については考えていかなければいけないと思いますので、引き続き検討はしてまいります。
新国立競技場の使用についてですが、現時点では賃借料等のスペックも開示されておらず検討もできない状況です。当然のことながら、あれだけ大規模な施設ですので賃借料も莫大なものになるかと思います。現実的にはかなり厳しいと捉えております。

質問者:
先程レイソルの強みとしてアカデミーを挙げられましたが、2015年以降アカデミーを軽視していませんか。吉田達磨監督の就任時、明確にアカデミーからのシームレスなサッカーを掲げましたが、サポーターとしては方向性がしっかりしていたので応援しがいがありました。その後の監督人事を見ていると方向性はどうなっているんだと思います。
あとは、フロントの陣容が分かりにくいです。ダイレクターとゼネラルマネージャーとは何がどう違うのか、誰が何をどう判断して、誰に責任があるのか、サポーターにもわかる形で示して頂けませんか。
フロントも含めて、5年後10年後どう魅力あるクラブを作っていくのか、見通しを伺いたい。覚悟を決めて仕事にあたって貰いたいです。

瀧川:
まずアカデミーは我々の根幹だと思っていますし、重要な項目としてやり続けたいと思っております。当時吉田達磨監督が就任し、アカデミーから一貫した戦術を持ってシームレスに戦うということを掲げました。しかし色々な要件が変化してきております。
まずひとつは外国籍枠の緩和。もうひとつは海外リーグへの挑戦がしやすい環境になっていること。もうひとつはサッカーの戦術の進化、移り変わりが非常に早いこと。一つの戦術にこだわってやり続ければ、絆が強くなってメリットが大きいという思考をたしかに持っていました。しかし、情勢が変化していく中で、期待値ほどの成果があがりませんでした。シームレスにこだわること自体はやめよう、と考え方を変えてきております。
アカデミーを軽視したり、育成を捨てようということは一切ございません。むしろ更に力を入れていきたいです。これだけ移り変わりの早い世の中で、選択肢を狭める行為をしていては適応していけないと思っております。アカデミーでも近年は「多様性」という言葉を重視しております。個に着目して指導法を変えたり、色々と考えながら取り組んでいます。アカデミー軽視という風に映っているのであれば、そんなつもりは全くございません。
フロントの役割については、ダイレクターとゼネラルマネージャーは役職階級の違いです。ご質問の意図は成績責任を負わないのか、ということだと思います。中長期的に見て、やっていきたいこと、積み重ねてきたものがある故に、一時の成績だけが評価基準ではないと考えております。総合的に考えて、誰に務めてもらいたいかということを判断しており、短期的な結果だけを見てコロコロと変えるべき役職ではないと考えております。
覚悟が見えていないと言われてしまえば、結果が全てだと思います。しかし、全員が勝利にこだわって強いチームを作るために覚悟を持ってやっています。覚悟がないものには鼻から任せていませんので、信頼して頂ければと思います。

質問者:
覚悟という言葉は失礼だったかもしれませんが、企業で言えば数値目標があると思います。目標がクリアできないからやめろということではないですが、勝ち点など我々にも見える形のもので判断しているということが分かれば、応援している方も良いのですが。

瀧川:
ご意見はよく分かりました。クラブとしては、色々なことを皆さんに理解して頂きたいですし、単純なお客さまだとは思っていません。我々と一緒にクラブを良くしようとして頂いていると思っていますし、出来る限り共有は必要だと認識しております。一方で組織を保つ上でどうしても開示できない、すべきでない情報もあることをご理解頂ければと思います。

質問者:
J1の平均入場者が約19,000人です。先程増築は厳しいというお話でしたが、今後移転するのか、このまま15,000人のままでやっていくのか、お伺いしたいです。
もう一つは収益について。スタジアムが変わらなければ収益がここから変わらないと思うのですが、今後収益を上げていく中でどこに力を入れていくのか、例えばグッズなのかスポンサーなのか、教えて頂きたいです。

瀧川:
冒頭申し上げた通り、15,000人のスタジアムで戦っていけると思っております。もちろん15,000と言いながら現状は平均で11,000程度(2019年は9,400程度)となっております。こだわりたいのは収容率です。まずは満員のスタジアムを目指したいと思います。移転というのは拡張よりもハードルが高い話になります。現状の資産はどうするか、行先があるのか、三協フロンテア柏スタジアムよりも魅力的なのか、という問題が起きてきます。このキャパシティで、このスタジアムで戦っていくという覚悟を決めており、強いところを磨いていきたいと思います。
収益が増えていかないのでは、というお話については、少なくともそうは考えておりません。Jリーグの入場料収入はクラブによって差がありますが、クラブ収益の約10~20%ほどです。そこの部分で確かにビハインドはあります。入場料収入については、収益が上がった分経費も掛かってきますので、中々億単位を稼ぐことは難しいです。少なくとも向こう数年で戦っていけなくなるとは思っておりません。

質問者:
Jリーグのスタジアム基準に外れている箇所についてはどうしていくのですか。
15,000人のキャパも将来的には認められないのではないかと思いますし、屋根の件もお聞きしたいです。

瀧川:
Jリーグともしっかり議論をしておりますが、現時点では15,000人のキャパシティ基準を引き上げる話は出ておりません。リスクがあるのは、どちらかと言えば屋根だと思っております。先程快適性を高めていきたいという話をさせて頂きましたが、その面でも非常に大きな項目だと思っております。
屋根を付けたい気持ちは当然ありますが、一つは高さ制限の問題がございます。単純に屋根を乗せるというわけにはまいりませんので、どこにどう建てるのかということも許認可にあたり、争点になると思います。電波障害、騒音も逆にひどくなるエリアが出る可能性がございます。そして、相当大きなお金が掛かります。我々が全てを準備できるタイミングで関係各所と協議をしながら進めていかなければなりません。
そう簡単には出来ない事情はリーグ側にもきちんと伝えており、一定の理解を得られております。一足飛びにライセンスに触れるということはありませんし、ないようにやってまいります。

質問者:
子連れだと、雨が降るとチケットを持っていても観戦を断念することがあります。屋根を付けて頂くか、もしくは子どもを預けられるサービス、雨に濡れず子どもと一緒にいることが出来るスペースがあると嬉しいです。

瀧川:
冒頭でお話した通り、子どもに着眼していきたいという思いはありますので、当然考えていかなければなりません。よく検討させて頂きます。
ただ、スタジアム自体がコンパクトですから、潤沢なスペースがあるわけではないため、物理的な問題もございます。ファンサービスやイベントのご意見も後ほど頂くことになろうかと思いますが、全部というわけにはいきませんので、優先順位が出てくることはご理解頂ければと思います。

質問者:
ビジョンが小さく見づらいです。大きなビジョンに更新して頂けないでしょうか。

瀧川:
ビジョンについては、構造物になりますので、先程申し上げた通り高さの問題が生じてまいります。ただご意見の旨は以前から承知しておりますので、継続的に検討していきたいと思います。

質問者:
座席に背もたれがないスタジアムは他に見たことがありません。安全で快適なスタジアムを目指していらっしゃるのであれば、背もたれとドリンクホルダーは必須だと思います。

瀧川:
何でも出来るくらいの潤沢な資金があり、条件が整うのであればもちろんやりたいと思います。しかし、出来ること、出来ないことがあり、順番の問題がございます。もちろん検討はしており、拡張のように当面出来ない、という話ではないとは思っております。意思はございますが、状況次第ということをご理解頂ければと思います。

質問者:
色々な質問に対し、検討しますという答えですが、検討結果について回答頂けませんか。

瀧川:
今季これくらいの予算を割いて、快適性を上げていこうという話になったとき、どこに手をつけるかという議論になります。そのたびにこれは出来ます、出来ません、ということではなくて、実施出来たものが出来るという回答だという風に受け止めて頂けないでしょうか。

質問者:
社長は15,000人のスタジアムで良いとおっしゃいましたが、本当にそうでしょうか。京都の新スタジアムも完成しました。日本を代表する、アジアを目指すチームになりたいと思っているのか、社長のお話を聞いていると分かりません。J1とJ2を行ったり来たりするローカルクラブのままで良いのか、今のままのサイズで適当にやっていれば良いとお考えなのか、お聞かせください。

瀧川:
スタジアムについては、売上を増やしていくというよりも、私共のサッカーを楽しんで頂く方を増やしていきたいという本質的な部分がございます。ただし、Jリーグの中で自社でスタジアムを所有しているのはレイソルだけです。それは全てのリスクをクラブが負うということになります。京都のスタジアムについても、行政の持ち物になります。空席、災害など諸々のリスクを行政が負ってくれ、それを賃借料として支払う形になります。その場合の判断は簡単で、出来なくなったら借りなければ良いということになります。しかし、自社所有のスタジアムの場合、50年というような長期期間、資産として抱えなければなりません。そのリスクをクラブは背負っていくわけです。
それを背負ってでもやってくれ、というお話かと思います。しかし50年先まで考えると、一足飛びに判断することは中々難しいことです。
Jリーグの理念にも掲げている「地域との共生」を私共も日々考えておりますが、近隣住民の中にはサッカーに興味をお持ちでない方もいますし、試合時の騒音や渋滞に対する苦情も日常的に頂いております。法規制されているものを何故やるのか、という議論を公共ではなく一企業が背負うということは社会性の問題からも難しい。
15,000人でクラブが潰れてしまうというのなら考えなければなりませんが、私共が競っているのは収容人数ではないと思っております。もちろん支えて頂けるファン、サポーターが多いこと、どれだけ共感を得ているかということは非常に重要なポイントです。しかし、我々が持っているものの中で、出来る範疇の中で戦えるチームを作っていくことは出来ると思っております。それが出来ていないと言われれば、我々の努力が足りないということだと思いますが、今後も戦っていけると信じております。

質問者:
過去ベンチシートだった時代もありますし、トイレに鏡が付いたりもしています。少しずつでも、目に見える形で進めて頂ければと思います。コンコースにモニターを付けて頂けると、子どもをあやしたりも出来ると思います。今日は参加者のほとんどが男性ですが、女性目線が大切だと思います。

瀧川:
ありがとうございます。チーム人件費に十分な費用を投下していき、それでも余分な予算が出来るようにやっていかなければいけないと思っております。結局こじんまりとした部分にしか手が付けられていないというのはご指摘の通りでして、皆さんのご意見を胸に刻んで頑張っていきたいと思います。
女性目線というのはごもっともだと思います。我々のスタッフにも女性がおりますので、よく話を聞きながら考えていきたいと思います。

(広報担当)大重:
続いてファンサービスについての質問をお伺いしたいと思います。

質問者:
1点目は、ファンサービス全体の今までの振り返りとと今季、新しく取り組み事があるのか教えてください。2点目は、メディアなどの外向けの広報活動について教えて欲しいと思います。

(事業担当)酒井:
今季からアソシエイツプラスを新設させて頂きました。結果的に3分ほどで定員に達してしまったのですが、たくさんのお申し込みをありがとうございました。新設の意図のひとつとしましては、優位性を感じて頂ける会員種別を作りたかったということがございます。アソシエイツプラスの皆さんに向けても、それ以外でも、新たなイベントを企画していきたいと思っております。

(広報担当)大重:
瀧川:も申し上げましたが、サッカーを観て頂くことが第一優先と考えております。柏レイソルが良い試合をする、試合に勝てば、露出が増えていきます。報道各社様とはきちんとご取材頂けるような関係性が築けていると捉えております。今年J1になって、より多く取り上げて頂けるようにしていければと考えております。

質問者:
先ほど、アソシエイツプラスで差別化を図っていくという話がありましたが、アウェイゲームでは優先入場を行っているクラブもあります。座席の確保だけでなく、イベントへの参加などで早く入場したい方もいると思うので、色々な部分での差別化も検討して頂ければと思います。

瀧川:
ご意見ありがとうございます。ご趣旨をよく認識して、検討していきたいと思います。

質問者:
グッズについてですが、以前も公募してグッズを作るなどの提案をさせて頂きましたが、それ以降なかなか動きがないと感じています。最近のグッズで魅力があるものが少ないと思います。アンケートを取るなどして欲しいと思います。
また、私はホームタウンの我孫子市在住なのですが、ポスターもあまり貼っておらず、レイソルの色がありません。行政とも連携して、地道に活動をして頂ければと思います。

瀧川:
グッズについて、決して魅力を失くそうとしてやっている訳ではないのですが、アンケートを含めて、ご意見を頂きながら、改善をしてまいります。
ホームタウンについては、柏市以外の7市については、マンパワーの問題もあったりしますが、努力をしてまいりたいと思います。

質問者:
私は、魅力がないグッズばかりではないと思っており、なるべく購入しております。ですが、良いと思ったグッズは、すぐに在庫が無くなってしまうことが多いです。再入荷もないことがほとんどです。オンラインショップなどで、良いグッズがあれば、評価するシステムがあれば良いと思います。
Jリーグから発表されている2018年度の資料を見ると、グッズの売り上げが他クラブに比べて極端に少ないと思いますので、今後の施策を聞きたいと思います。
もう一点は新体制発表会で、落選した人もインターネットなどで見れるシステムを、今後導入していくのかを教えて欲しいです。

瀧川:
ありがとうございます。グッズについては、企画、仕入、販売の一連を加茂商事さんへ委託しております。開示されている金額が全ての売上高という訳ではございませんので、他クラブと比較して突出して少ないという訳ではありません。商品化事業をアウトソーシングをすることで、在庫高や販売にかかる諸経費を大きく削減しております。少ない人数でフロントの業務を行っていく中で、色々な事を視野に入れて工夫していかなければと考えています。
また、しっかりとノウハウをもっている企業にお任せをする方が質も良くなると認識しております。色々な考え方があると思いますが、例えば、グッズで大きく儲ける事ができたとしても、サッカーを辞めて、グッズ販売業者になるかといえば、そんな事はありえません。グッズ販売は大事な部分ではあるけれども、我々の本質とは少し違うのではないかという見方をしています。意思統一をしながら、信頼できるパートナーさんにお任せしてしていくという趣旨でやっております。

(広報担当)大重:
新体制発表会の配信ですが、今回についても情報収集をして可能性は探りました。しかし今年については、申し訳ありませんが例年通りSNSを使って当日の模様をお伝えする形になります。来年以降は出来るようにしたいと思っておりますが、費用面含め検討しております。

質問者:
ビジター側に授乳室を設置、段差の解消についての予定はありますか。

(事業担当)河原:
授乳室については、ビジター側に設置する予定はありませんが、スタッフにお声を掛けて頂き、医務室にて授乳をして頂いております。現状の使用頻度もごくわずかだと報告を受けております。
段差については、安全面を考慮して、検討してまいります。

質問者:
ビジター側は、雨除け、日除けもなく、真夏は大変だと聞いたことがあります。安全面でも改善してあげた方が良いと思います。

瀧川:
ビジター側の環境については、認識出来ております。待機列エリアは、日立製作所の土地でして、日立製作所側との調整が必要となってきますが、安全、快適という点でも考えていく必要があると思っております。

(事業担当)河原:
一昨年開催しました意見交換会でも話が挙がりましたが、日除けがないという点については承っております。雷などの際に避難する場所については考えております。2008年に大雨で試合が中断した際にも、体育館の中に避難頂くなど、全てのお客様が避難できる様に対応はしております。
ただ、待機中に日除けがないことは事実でございますが、テントを設置したりはしております。出来る中でのことなりますが、対応していきたいと思います。

質問者:
試合開始までの時間で、アソシエイツイベントに参加する方以外が楽しめるイベントが少なすぎると思います。初めて来た人でもリピーターになるような楽しめる要素を増やして欲しいと思います。
賛否両論あるかもしれませんが、失点シーンのリプレイを映してもいいのではないでしょうか。

瀧川:
出来るだけ多くの皆様に楽しんで頂けるものを考えてまいります。
失点シーンについては、トラブルの要因にもなりかねませんので、少し難しいかと考えます。

質問者:
スポンサーが増えると試合時のイベントやプレゼントが増え、ファンサービスも増えると思います。日立グループ以外のスポンサーが少ない印象があり、大口のスポンサーが抜けてしまったときが心配です。現状の評価と今後についてどう考えているのかを教えてください。
スタジアムフードですが、マンネリ化していると思います。また、店舗数が少ないこともあり、列が長くなっています。昨季は試合によってスイーツの店舗がスポットで出店したりもしていましたが、今後をどう考えているか教えてください。

瀧川:
契約内容にもよりますので、スポンサー=イベントという訳では決してないのですが、増やしていけるように努めてまいります。スポンサー減へのご心配はその通りだと思いますので、我々フロントが営業努力をして、維持、向上していけるように頑張っていきます。

(事業担当)熊谷:
飲食売店は今季もスポット出店などで、店舗に変化をつけたいと考えております。店舗がマンネリ化しているという点については、限られた時間の中で、多くのお客様の受け入れが可能な店舗が限られていることもございます。皆さんには申し訳ないのですが、固定の店舗になっているのが現状です。
新規の店舗も探しており、季節ごとにメニューの変更もお願いしておりますが、引き続き改善していけるよう模索してまいります。

質問者:
グッズの件ですが、普段使い出来るグッズについては、女性や子供の目線で開発してもらいたいと考えています。普段使いできるグッズが増えれば、レイソルをアピールできると思います。また、(飲食・グッズ)売店で電子マネーを使用できるようにする予定はありますか。
もう一点は練習見学、ファンサービスでのSNSでの利用についてです。SNSでは、練習の状況や別メニューをしている選手の情報などを投稿されている方が見受けられます。試合の勝敗に直結する影響があることだと思います。公式サイトには、SNS投稿についてのルールが載っていないと思いますが、明確なルールを表示することで牽制にもなるのではないでしょうか。
あと、選手への差し入れについて、食品を渡している人もいるとのことです。差し入れもガイドラインを明記した方が良いのではないでしょうか。

(事業担当)熊谷:
電子マネーについては、普段から使用されている方も多いと思いますので、検討はしております。導入に際しては、各売店の業者さんのご意向も含めての判断になります。導入したことにより、操作にとまどってしまい、逆にお客様をお待たせしてしまう等ご迷惑をお掛けする可能性もございますので、各業者さんとしっかり話をしたうえで検討させて頂ければと思います。

(広報担当)大重:
SNSに関しては、チームに関わる情報が流出してしまう恐れがあるとは思います。公式サイトにはルールは載せてはいませんが、練習場に看板を出して呼びかけはおこなっています。練習公開日なので、個人的に写真や動画を取りたいという方もいらっしゃると思いますので、そこを制限するつもりはありません。チーム、強化部とも相談をして、現在の運用にしております。
全てをSNSにアップしていいのかということについては、クラブがルールを提示する前に、皆さん自身で柏レイソルの為になるかどうか、考えて頂くきっかけになればと思っております。
個人的にはあまりルールを作りたくないと思っています。ルールを作れば違反を取り締まらなければなりません。違反する人がいれば、もっと厳しいルールにしなければなりません。その結果、練習は非公開ばかりになってしまうと思います。そういう状況にはしたくないので、皆さんにご理解を頂けないでしょうか。
皆さん一人一人の行動がチームの勝敗にすごく関わっているご時世なので、これが考えるきっかけになればと思います。今後も気になることがあれば、またお知らせ頂ければと思います。

質問者:
大学生の息子はレイソルのグッズは全く駄目だと言っています。妻はトイレにウォシュレットを付けて欲しいと言っていました。アソシエイツプラスですが、すぐに埋まってしまったので、もう少し人数を増やして欲しいと思います。

瀧川:
グッズについては拝承いたしました。よく検討していきます。

(総務担当)享保:
ウォシュレットについては、以前よりご要望は頂いております。トイレの整備は大事だと思っております。順番に進めており、まずは洋式化をして、清潔、清掃という点を進めております。将来的にはウォシュレットの環境も整備出来ればとは思いますが、現段階で具体的な計画は持ち合わせておりません。

(事業担当)酒井:
アソシエイツプラスは初年度でしたので、100名様とさせて頂きました。来年以降については、拡大していきたいと思っております。

質問者:
選手によっては、たくさんSNSを更新していて、ファンも身近に感じることが出来ていると思います。個人によって発信に差がありますが、クラブとして選手個人のSNS運用について、制限をしているのでしょうか。

(広報担当)大重:
制限はかけていませんし、自主的に個人がやっているものと認識しています。クラブのPRをしてくれる選手もいますが、あくまで個人の発信するものとしている選手もいます。こちらから指示するような形はとっておりませんが、選手の影響力が一番あるとも思っております。PRで選手の写真を撮り、それを発信してもらうなどはやっていきたいと思います。

質問者:
試合前、ハーフタイムに喫煙所の煙が凄いです。喫煙エリアをはみ出して吸っている方も見受けられます。サポーターから注意するとトラブルになりかねないので、スタッフが注意するか喫煙所を撤去するなどを検討して頂ければと思います。
もう一つ、イエローハウスの定期開催についてはどう考えているのかを教えて欲しいです。

(事業担当)河原:
喫煙所についてですが、たくさんの方が使われているという認識はしております。物理的に何かを設置して区画を分けるということは現状難しいので、常時人をさけるかという問題はありますが、今後の運用を検討させて頂きます。

瀧川:
イエローハウスについては、出来れば続けてやっていきたいと思っております。定期開催については、チームのスケジュールやタイミングもございますので、検討させて頂きます。

質問者:
クラブの危機管理や情報公開という点でお聞きします。個人的に聞いた話ですが、以前に監督をしていたミルトン・メンデスさんが辞任された形になっていますが、犯罪まがいの行為を犯して辞任ではなく解任されたという話を聞きました。それは事実なのでしょうか。事実なのであれば、公開するべきだったのではないでしょうか。

瀧川:
契約上の問題もあって中身をお話することができないのですが、危機管理に触れるような話ではないと認識頂きたいと思います。会社として、間違った対応をしたということはありません。本人と会話をして、本人の家庭の事情に関する申し出を踏まえ、総合的に判断をして、契約解除をしたという形です。少なくとも、危機管理、コンプライアンスに問題があるのではないかというお話ではありません。

質問者:
一般的に自らの辞任であれば、クラブ側から違約金を払うということはないと思います。本来はチームの強化につかうべきお金が支払われたという話を聞いたのですが、事実ではないということでしょうか。

瀧川:
先ほどから話をしている通り、辞任となります。辞任にも色々あるのですが、ご質問頂いた趣旨からすると、解任ではなく辞任です。金銭的負担が余分に起こっているということはございません。

(広報担当)大重:
最後にチーム強化についてです。すでにアカデミーについて、チームの強化方針は先程瀧川よりお話させて頂いておりますので、それ以外のところでご質問があれば承ります。また始動前でもありますので、個人的な(去就など)質問に関してはお答えづらいところもありますが、ご質問があれば教えて頂きたいと思います。

質問者:
今シーズンに向けて積極補強というのが報道に出ていますが、逆にアカデミーで育った選手、期限付き移籍や中川(創)選手のように(ジュビロ磐田へ)完全移籍もありますが、出ていく選手が目立っています。
先ほどの「シームレス」の話ではないのですが、アカデミーとトップチームの関連性というのがちょっと薄くなっているのではないか、と感じます。その辺いかがお考えでしょうか?

もう一つは、他のクラブでは選手が契約更新すると逐一(公式サイトなどに)発表するクラブもありますが、レイソルは過去もずっとですが、新体制発表会まで情報が出ないです。もう少しオープンに出せるところは出して頂けないでしょうか?

瀧川:
一つ目のご質問ですが、私自身はそのようなつもりもないですし、たぶん現場も全くそのようなことはないです。出ていく選手が多い、というところを捉えていらっしゃるのかと思いますが、これはレイソルだけに限らず外国籍選手の出場枠が増えると、日本人選手が出られるポジションが減っていくわけです。すると当然出場機会を求める選手も増えて、若い選手の移籍が活発となっている、というのが回答です。決してアカデミーとトップチームの関連性を薄くしているわけではないです。基本的に個々人に応じた育成の面で、他チームに移籍させて試合に出して鍛えるという選択もあれば、あるいは出場機会を求めて出ていきたいという意向の選手もいます。決してクラブの意思で一方的に出しているわけではないということをご理解ください。
基本的にはアカデミーに関してのスタンス・考え方は変えていませんが、やり方は時代によって変わってきますし、様々な手法も出てきていますので考えながら取り組んでいます。

契約更新の話は、様々な理由があり基本的には出していません。決まった順に出していくと様々な軋轢を生むこともあろうかと思いますので、ご理解頂ければと思います。

質問者:
今年とこれから先についてお話を伺えればと思います。昇格後、全ポジション積極的に補強していますが、そのポイントなどは来週(新体制発表会などで)お話して頂けると思いますが、サポーターとしては誰か出ていくのではないかと心配しています。もし現時点でお話しできることがあれば教えてください。

二点目は、レイソルは三度も降格していてエレベータークラブと言われても仕方がないと思います。これから先、どういうチーム作りをしていくのか、もう四度目の降格はしたくないというのは皆さん一緒だと思うのですが、今どのように取り組んでいるのか、また社長のお気持ちをお聞かせ頂ければと思います。

瀧川:
一つ目の個々の選手の去就につきましては、ここでお話することは出来ませんのでご理解ください。
二つ目のお話ですが、(2018年に)降格をさせてしまったことで皆様にご心配やつらい思いをさせてしまったことは本当に申し訳なく思っています。
さまざまな要因が絡み合って降格してしまったこと、2018年は5チームくらいが勝ち点2の差で残留を争うシーズンでしたが、(今季は)降格しない、そもそも残留争いをしないチーム作りのための方策を打っています。
その根底にあるのはいかにチームへ投資を出来るのかということですし、最初に質問にもありましたが、選択肢を狭めずに、いろんな環境の変化にあわせられるように、チームの戦術や育成もそうですが、臨機応変に対応できるようにしていきます。
チーム強化に関しては、最近監督らと話すと「バランスの良いチーム」「多様性」「フォア・ザ・チーム」とか「献身性」というワードが出てきます。
これはこの先へ向かう時に象徴的な言葉でして、それらを含めて"VITORIA"を刷り込んでいく、強さを一過性ではなく長く続くように求めていきます。少し抽象的な言葉になりますが、考えているのは以上のようなことです。

質問者:
では多様性やたくさんの選択肢がある中で、どの判断をするのかというのは社長の判断であり、責任があるということでしょうか?

瀧川:
もちろん私一人が勝手に決めているわけではなく、日常的にチームの情報も上がってきますし、強化チームがきちんと現場のことは見てくれています。クラブとしていろいろな検討をした上で、最終的には私の責任で判断をしています。
ただ、移籍(獲得)については金銭的にも、取締役会に諮るなどバランスを取っています。その上で最終的に私が決裁しております。

質問者:
2018シーズンは外から見ていてチームとしても全体としてもかなり迷っているなぁというのが見受けられました。社長一人の責任ということではないのですが、判断という部分が強化や勝敗を分ける重要な部分だと思いますので、今後は強いチームになるように期待しています。

質問者:
一昨年降格しましたが、昨年は布部さんの復帰であったり、強いチームを作って優勝という感動を頂き、社長ありがとうございました。
強化の方針についてですが、かつて小見さんがいた時に「サイズがあって左利き」などのポイントがあったと思います。先ほど多様性や献身性などの方針が見えたのですが、それ以外に強化部の方針としてこういう選手を集めたいというテーマがありましたら教えて頂きたいです。

また、他のチームから引き抜かれてもおかしくない主力選手がほとんど残っているのですが、レイソルは国内間では移籍金を高く設定しているという噂は聞いていますが、それ以外に秘訣があれば教えてください。

瀧川:
一つ目ですが、監督の意向を受けて強化チームが補強をしています。一番言っているのは「競争」ということです。昨季J2優勝メンバーをベースに、更に各ポジションで高いレベルで競争が出来るように補強をしたいというのがネルシーニョ監督と強化部の考えでした。きめ細かく情報を共有し、意思疎通してくれたので、良い補強が出来たのかなと思っています。

残ってくれる選手が多いということについては、私が言うと手前味噌になりますが、レイソルは環境的に高い水準のクラブだと自負しています。ホームの試合の時も練習と同じように来れる、食事もここでとれる。非常に整った環境を保てていると思っておりますし、柏近辺の住環境も良いです。外国籍選手も同じように感じてくれている選手が多いので、他クラブとの比較で優位にあるのかなと思っています。

質問者:
布部さんがゼネラルマネージャーに就任した経緯について教えて頂ければと思います。

瀧川:
一昨年6月に京都の監督を退任後、レイソルでアカデミーコーチをして頂いていました。布部をGMに、というのは昨年秋口に正式に依頼しました。いろいろなクラブを経験していますし、人脈もあるし、何よりも人格者で求心力がある。レイソルには適任の方です。

質問者:
今回、岩瀬(アカデミーヘッドオブ)コーチと松本(アカデミー)GKコーチが他のクラブに行ってしまいましたが、特に岩瀬コーチは今後もレイソルで指導して貰えたらと思っていた方も多いと思います。答えられる範囲でいいのですが、その理由と今後レイソルでやってもらうビジョンがあるのか教えてください。

瀧川:
結論から申し上げますと、個人についての契約に関して申し上げることは出来ませんので、一般論になりますが、いろんな思いがクラブ側にも、コーチにもあります。選手と同じように機会を求めて、経験として他クラブに移る方、指導者としてのキャリアアップを考える方などモチベーションも持っている方が多い。選手・コーチいずれもよく話し合っています。ただし、将来戻ってくるよ、というのは確約することはできません。

質問者:
選手獲得の基準、方針について。以前に「前線の選手は外国人、後ろの選手はアカデミー選手中心」というのを聞いたことがあるのですが、今季は前線に(アカデミー出身の)細谷選手、鵜木選手とかが上がってきて、外国人GKを獲るなど変わってきているように思います。もし変わっているなら今の方針を教えてください。

瀧川:
同じような回答になりますが、ずっと「前線の選手は外国人、後ろの選手はアカデミー」ということはありません。そういう不変的な決めは選択肢を狭めることになります。もちろんアカデミーから選手を上げたいというのはあります。ただ毎年補強ポイントは異なりますし、未来永劫続く方針はありません。きちんと状況を判断して補強ポイントを決めています。

質問者:
ネルシーニョ監督の契約期間が3年という記事を見ました。ネルシーニョ監督以降はどうするのか教えてください。

瀧川:
契約のことはお話できませんが、以降どうするのかということに関しては、監督が代われば負けていいわけではないので考えていかなければならないところですし、人選を含めていろんな選択肢を持って考えなければならないです。
何より、ネルシーニョ監督自身が、レイソルにマッチした監督だと思っています。その間に「勝ちにこだわる」ヴィトーリア精神をDNAレベルで植え込んで欲しいと思っています。
献身性、フォア・ザ・チームであるとか、試合に出ていない選手もモチベーション高くプレーしているとかそういうところに非常に長けた監督です。そういうことを監督が代わってもずっと続けていけるように考えていきたいと思います。

質問者:
2017年、2018年と補強をたくさんしたので、諸表を見ると人件費がかなり高くなっていて肥大化していると思います。今回たくさんの補強をしていますが、現実的に上位を競うのか残留争いに巻き込まれないのか、どの辺を目標に設定しての補強なのでしょうか?また最終的な目標値も教えてください。

瀧川:
2017年、2018年ですが、詳細な内訳は開示できませんが移籍金収入などで売り上げは上がっています。一方それに代わって獲得した選手もいるので費用も増えています。
肥大化したチーム人件費というより、入替えがあったので費用が膨らんでいるということです。18年に限っていうと、様々な理由で選手の入れ替わりも大きかったのでチーム人件費だけみると肥大化している、と見えるかもしれません。
基本的には予算をチーム人件費に投入できる体制にしていますが、一方では身の丈にあった経営をしなければなりませんのでどこかで上限はあります。19年度に限ってだけ申し上げますと、J2で経営的には厳しく収入は減るが戦力を保ち、J1に一年で復帰してまた売り上げを戻すという方針で、相当の赤字も覚悟しています。
20年度はJ1リーグも厳しい状況にあるので、戦力を整えないといけない。ただ経営破たんするようなことはないようにしています。皆さんの期待に応えられるようにしています。

最終的な目標ですが、我々はチャレンジャー。J1に定着する、一つでも上の順位を目指すというものが今年度の目標です。ネルシーニョ監督は一戦一戦勝つ、という方。手を抜くことはないので、こだわらず一つでも上の順位を目指すということで良いと思います。

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