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TEXT:鈴木 潤 PHOTO:飯村 健司 |

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青天の霹靂―― 桐畑和繁にとって、普段と何ら変わりない試合のはずだった。スタンドからの大歓声を浴びながら菅野孝憲とともにウォーミングアップをし、ベンチ入りメンバーに名を連ねた“サブGK”として万全の準備を進めていた。 むしろその日がプロ入り初スタメンとなった酒井宏樹に声を掛け、後輩が気分良くプレーできるように気を遣っていた。 キックオフからわずか2分。ベンチでテーピングを巻いていた桐畑は、奇声のごとく鳴り響いた笛の音に視線を引っ張られるかのようにゴール前へ目を向けた。菅野が相手選手と交錯し、そのジャッジに対するホイッスルだった。 「え?PK?」 そう思いながら菅野に歩み寄る主審を注視すると、その男は胸ではなくズボンのポケットに左手を入れ、ゆっくりと赤いカードを菅野に対して掲げた。 ダービー独特の雰囲気が醸し出す異様なテンションの高さは試合開始前から会場を取り巻いていたが、その空気に包まれていた日立台が騒然となった。桐畑が「赤かよ!」と訝しさを感じたように、ピッチ上のレイソルの選手たちが主審に詰め寄り、抗議を始める。そして次の瞬間。 「キリィー!!」 自分の名を呼ぶ声がした。声の主はシジマールGKコーチだ。彼はその声を発した直後に物凄い形相で桐畑のもとへ歩み寄ってきた。ベンチにいたチームメイトたちも、それに続けと言わんばかりに桐畑を鼓舞するべく次々に言葉を投げ掛けた。日立台に詰めかけたサポーターの視線は、多大なる期待を込めて背番号1へ向けられていた。 ![]() |
5年待ちわびたデビュー戦―― 2010年7月25日、J2第19節。ジェフ千葉との千葉ダービー。桐畑のデビューは、あまりにも唐突な形で巡ってきたのだ。 「ビビりましたよ。でも、人間ビビると笑っちゃうんですよ」 当時の状況を克明に回想する桐畑は、その時の気持ちをそう語っている。 2006年のルーキーイヤーから5年。桐畑はトップチームでの出場経験がなかった。その一方で、サテライトでは何遍もゴールマウスを守っていた経験から、自分自身を『サテライトの守護神』と名乗ったこともある。あの饒舌なマシンガントークからは想像もつかないが、桐畑のサッカー人生はGKという特殊なポジションの性質上、子供の頃から二番手に甘んじる日々の連続だった。06年のトップチーム昇格以降も南雄太(現熊本)、水谷雄一(現京都)、菅野ら実力者の壁に阻まれ、背番号1こそ背負っていたものの、「出場機会0」が示す通り、Jリーグ公式戦のピッチに立った経験はない。 シジマールGKコーチから檄を飛ばされ、背中を4回叩かれて桐畑はピッチへ足を踏み入れた。桐畑との交代でピッチを後にする澤昌克も「頑張ってね」と笑顔で送り出してくれた。 「めっちゃサポーターの声が聞こえてきました」 一歩一歩ゴールマウスが近づくにつれ、その歩みに比例するかのようにサポーターが沸いた。 レイソル加入から5年。桐畑和繁、大波乱のデビュー戦である。 ※この続きは、モバイルレイソルで全6回にわたって連載いたします。今後は、ジュニア時代の意外なキャリア、市船での全国制覇、渡り歩いた他チームでの成長など |
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2006年のルーキーイヤーから5年。桐畑はトップチームでの出場経験がなかった。その一方で、サテライトでは何遍もゴールマウスを守っていた経験から、自分自身を『サテライトの守護神』と名乗ったこともある。



レイソルのサポーターにもご来店いただいているので、私どももとても感謝しております。
















